さまようイノチたち
どのイノチたちも居場所を探している。
例えば食べ物。
昔から自然界にあった穀物、海藻、山菜などは
食べても身体の中で消化されます。
しかし、人工的に作られた食べ物
今まで自然界になかった食べ物は
身体の中の細胞もどうやって分解してよいのかわからない気がします。
畑に捨てられた空き缶やナイロンゴミが
何年経っても分解されずそのまま残っているのと同じように
そして人の魂。
肉体から解放されたはずの魂は
お墓という空間に閉じ込められてきました。
お金をかけて用意したお墓。
誰も住まなくなった家と同じように
誰も訪れず、放置されたお墓はどうしようもないモノになっています。
墓じまいといってお墓を撤去する方も増えています。
震災後、崩れたお墓の処理が大変だったという話も聞きました。
僧侶となった私達がこれから目指すお墓
それは自然界。
お墓の代わりに好きな木、花、野菜、穀物をお骨と共に植える。
今までお寺が預かってきた「御供養代金」
それはお寺と、お墓の管理代金として具体的な内訳は不透明。
支払う方もいくら支払えばよいか不透明。
これからはその「御供養代金」を
自然農栽培目指す農業者に支払う
↓
その農業者は亡くなった家族に実った作物を届ける
↓
家族は毎年故人を思い出し食べ物として再び自分の身体に取り入れる
それは亡くなった魂、家族、新規農業者
皆が喜ぶことができる仕組み。
今、住職になった主人は
放置されている山、土地をお寺が預かる!という仕組み作りに奮闘中。
新たなイノチたちの居場所として
山や里に自然を取り戻していけたらなと思います。